君の好きな世界に行きたい

ドリフェス!オタクがドリフェス!を忘れないようにするための備忘録。あとは日々の舞台などの感想など、Twitterで呟くにしては長すぎること。

神ノ牙-JINGA-転生

2019年1月6日(日) ソワレ

 

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 神ノ牙に郁君が出ると聞いたとき、長年録画されてきた牙狼シリーズが報われる気がしました。今までなんとなくしか把握していなかった牙狼シリーズ。仮面ライダーディケイドの井上くんがすごいやつに戦いを申し込んで、死んで、転生して魔戒騎士 をやっている、と兄からざっくりと内容を聞いてもよく分からない。舞台のあらすじを読んでも分からない。舞台を観に行く3日前からドラマ本編を予習し始めました。結果から言うと、めちゃくちゃこの話好きです。

 

 目次

 

神ノ牙-JINGA-

 ドラマ本編のネタバレを含んでいるので、これから見ようって人は気を付けてください。

 鬱of鬱と言えるレベルのエピソードの重さ。結局誰も救われない。誰が死ぬかな~って思って見ていたのに、見てるうちに楓沙も刀眞くんもみんな健気で死んでほしくないと思いました。まあ死ぬんですけどね……。魔戒騎士がホラーを斬ると人間も一緒に死ぬということを今回初めて知りました。牙狼ってそんなに救いのない話だったんですね。そして、ホラーを斬っても人間は殺さないという能力を手に入れた神牙。優しくて人を斬れない神牙が、魔戒騎士として己の信念を貫いて人々を救っていく話。途中までは「優しいなぁ~いいドラマだなぁ~」って思っていました。途中までは。結構序盤までは。神牙がホラーとして覚醒し始めていくたびに、「やだ、今季覇権じゃんこんなの……」と展開にドキドキしながら見ていました。死ぬと思っていないような人をジンガが殺し、表の世界の神牙は今日も人の命を救うために己の力を使う。それさえも偽りの力だったと自分の前世の姿、ジンガに気づかされ、最終的には最凶の男ジンガとして目覚めて全てを無に帰す。めちゃくちゃなディストピア。OVER THE SEVEN SEASのMVの撮影場所でみんな死ぬ。寒いのかな……。あ、ここKUROFUNEが歌ってた場所……やっぱりいつか行かなきゃと思いました。お墓が立っとるで~~!

 やっぱり本編を見ていないと、舞台だけでは分からない部分があるなと思いました。というよりも、もはや本編のスピンオフというよりも本編の補完の物語でもあるので、予習は必須だなと思いました。だからこそ、神ノ牙のドラマが好きだった人、楽しかった人には是非見てもらいたい舞台でしたね。

 

神ノ牙-JINGA-転生

 プロジェクションマッピングやらエアリアルティシューやら、総合芸術と言えるような演出がたくさんありました。

 物語の軸としては、神牙の知らないところでジンガが目覚め始めた最初の話、どうやって意識が浮上してきたか、そして最終回の後ジンガがどこへ向かったのか。本編で謎だった部分が少し解決するような話でした。

 

 キャストの役名やビジュアルが全然覚えられないなぁと思っていましたが、覚える必要はありませんでした。みんな死にます。みんな、死にます。ドラマ本編も今回の話もそうなのですが、結局この物語はジンガとアミリ以外はどうだっていいんですよね。最凶の男ジンガが転生しても悪は悪。長いこと眠って力を蓄えた悪。所詮すべてはジンガが目覚めるための踏み台となるので、周りの人間がどうなろうが関係ないんですよね。

 私はスピンオフ作品などで急に恋愛要素が絡んで、「あの時にあった淡く小さな恋……」となる作品がすごく嫌いなんですよ。仮面ライダーディケイドの小説版の話はしていません。別に仮面ライダーディケイドの小説版の話をしているわけじゃないんですよ。そんなことは置いておいて、今回も友葉ちゃんとそんなような波動がフワッとあって、アミリという女がいながらジンガはそんな不埒なことを……?と不穏な感覚になりました。でもそんな私の感情を蹴飛ばしていくような結末。友葉はトミノ様が人間に化けた姿で、ジンガがどういうものなのか探るための、接触するための仮の姿だったんです。騙された!神ノ牙は見ていて「騙された!!!」って思う展開がたくさんあるので楽しいです。良い感じの騙され具合。気持ちいい感じのです。そしてトミノ様と戦う直前で物語は終わります。いやそこで終わるんかい!終わるんかい!暗転した瞬間に、「いやまさか……」と思いましたが、そこで終わりました。これは続編がないと許されないやつですよ。

 なぜ私がそこまで終わることに驚いたのか。それは魔人獣の中でサーシャとしか戦ってないからです。フギもルカも何もしていません。何もしていないわけじゃないのですが、サーシャとの戦闘がめちゃくちゃに演出など凝っていた分、本当に何もしていないのです。殺陣はなかったです。ちょっと魔法出して、槍持って、立って喋ってたくらいですね。まるで漫画の打ち切りのような、俺たちの戦いはこれからだぜ!というような終わり方。まあジンガって劇場版でメシアに戦いを挑んで、「どうなる!?勝つか!?」と引き延ばしておいて、テレビシリーズが始まると冒頭で「メシアに負けたジンガは」とさらっと死んだことを知らされるというものですので、もし続編があっても「メシアの吐息トミノを倒したジンガは」と語られるだけなのでしょうか。それってルカが郁くんであった意味はあるのでしょうか?炎を操るキャラクターとしてちゃんとキャラがあって、衣装もあって、設定があって、ちゃんとしているのにこんな戦う舞台で殺陣すらないなんて……と驚きました。派手な演出が多かった分、地味な部分が本当に地味というか、続編で活躍させないと許さないぞ~と思うところはありました。郁くんのファンはどんな感想を抱いたのでしょうか。兄は「人気枠でキャスティングされたんじゃないの?」と言っていましたが、もし郁くんがそういった見方をされているのであれば少し嬉しいですね……。私は今回はドリフェス!の女というよりは牙狼の女、井上正大の女のような気持ちで観に行ったので、「脚が長い!!!!!!脚がすごく長い!!!!!テレビで見たあの立ち方!!!!あの殺陣!あ!!!!!!!影煌騎士・狼是だ!!!!」と楽しんでいました。解明した謎もあれば、また更に深まる謎もある。アミリは結局アルヴァという偽りの姿で神牙のそばにいたのでしょうか、それともアルヴァとアミリは別人なのでしょうか。謎は謎のままです。GOLD STORMを見ていないので、そもそもメシアの立場がよく分かっていないので、早くGOLD STORMで愉悦に浸るジンガを見ないと気が済まないですね。

 あと今回私がめちゃくちゃ興奮したのは生バンドの演奏でした。生演奏のある舞台は何個か行ったことがありますが、どの舞台よりも楽器の数が多かったです。ストリングスからベース、ドラムまで劇中の音楽がめちゃくちゃおしゃれに演奏されています。おしゃれ。本当おしゃれ。それだけでテンションが上がる。洗足の学生さんが演奏されているのですね。ということは同世代じゃないですか。ハヒ……。ただちょっと最後の挨拶での音量が大きすぎて、挨拶何言ってるか聞こえなかったですけどね。でも神ノ牙の世界観を彩る素敵な演奏だったと思います。プロジェクションマッピングといい、音楽といい、幻想的な空間、まさに牙狼の空間がそこにあったと思います。プロジェクションマッピングは斜めから見るとずれるので、正面から見るに越したことはないです。

 そういえばB席は3階席だって知ったのは先日だったのですが、劇場の空き具合を見るに、別にA席とかB席とか分けなくてもよかったんじゃないかなと思いました。全体図を見たほうが楽しいとは思うのですが、銀河劇場の3階席の一番前だと手すりがすごく邪魔だったので……。2階席に空席を作って3階席に人を入れるなら、いっそ2階席からB席にすればよかったのに……と思っても、集客がどうなるかは分からないですからね。休日の夜公演でこの空き具合か、というくらいには感じられました。兄は「こんなに人がいないのか……」と驚いていました。個人的「劇場のわりに集客が少ない舞台ランキング」は1位と2位を神ノ牙とジョン万次郎が戦っています。別にそんなことは競う必要はないのですが、どうも後ろを振り返って席が空いていると気になってしまいます。くにおくんは平日の昼でしたし、全労済ホールもそこまで大きい劇場じゃないので良しとしましょう。しかも今回はあんステ俳優の山本一慶さんがいるというのに……。まあ牙狼を知らないととっつきにくい舞台かな~とは思います。シリーズも長いですし、用語も難しいですし、世界観も特撮も、ちょっと合わないと感じたら追いかけるのが大変そうだなと思います。ま、みんな死ぬんですけどね……。アフタートークも決まり、売れない舞台としての道まっしぐらだなとは思いましたが、是非牙狼と神ノ牙が好きな人には観てほしいです。そう思いました。あれはどうなんだ、これはどうなんだ、と考えるのが楽しい舞台ですので、是非ドラマの本編を観てから劇場に足を運んで下さい。

 

では最後に想像以上に上手く撮れなかった牙狼の写真をどうぞ。

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ひどすぎる。何だこの写真。
あと今回もグッズ即完売おめでとう郁くん。グッズ即完売の人として有名になっておくれ……。